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2004.01.19 デザインをわかりたい人達へ
たぶん誰もこのコラムを読んでないような気がしますが, 更新のペースをつかむために書きます. 先日, 原研哉氏の『デザインのデザイン』という本を読みました.
「デザイン関係者だけではなく, 一般の方々にも読んでいただけるように書いたつもりである」というだけあって, たいへん読みやすく, わかりやすいものでした.
私個人としては, 「デザインをわかりたい人達へ. 」という帯に書かれた深澤直人のコメントで, 何となく買ってしまいました. (ちなみにウズラボ標準仕様の携帯電話はINFOBARです.
)
この本の中で, 原研哉氏は今日のデザインについて, 次のように述べています.
「形や素材の斬新さで驚かせるのではなく, 平凡に見える生活の隙間からしなやかで驚くべき発想を次々に取り出す独創性こそデザインである. モダニズムの遺産を受け継ぎ,
新たな世紀を担っていくデザイナーたちは, そういう部分に徐々に意識を通わせはじめているのである. 」(p.24)
これは前回紹介した山代悟の言説と共通しますし, ウズラボとしてもこういったことを常に考えています.
原研哉氏のデザインに対するスタンスのみならず, 内容的にもたいへん興味深く, 刺激を受けるものでした. 読み進みながら, さまざまな分野で活躍するデザイナーたちの仕事と触れるうちに,
モノづくりに携わる心構えのようなことを改めて教えられたように思います. また, 本文中には深澤直人の仕事に触れた箇所が多くあり, 原研哉氏が彼を高く評価していることがよくわかりました.
深澤直人氏による帯のコメントを読んで買った私としては, たいへんおもしろく読ませていただきました.
そしてひとつわかった気がします. 深澤直人氏が, 「デザインをわかりたい人達へ. 」と言ってこの本を薦めるは自画自賛なのだ!ということです. 建築家もそうですが,
モノづくりに携わっていく人間にはこういった強さが必要なのでしょうね. 私も見習いたいと思います.
UZULAB-ma.
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